尊厳死宣言

尊厳死宣言とは

尊厳死とは、回復の見込みのない末期状態の患者に対し、生命維持治療を差し控え又は中止し、人間としての尊厳を保たせつつ、死を迎えさせることをいいます。

もし自分が病気や事故などで、自身の意識がない、回復の見込みもない状態になった場合、家族などに絶対に延命措置はしないでほしいと考えるのなら、準備をする必要があります。

その意思表示の方法に尊厳死宣言があります。

いくら常々身内の方に、延命措置はしないでほしいと説明していたとしても、その気持ちを書面にしていないと、いざその選択を迫られたときに、身内の方が延命措置を取らなかったことをまわりから責められるようなことにもなりかねません。
そもそも、本人の希望通りに尊厳死を実現してくれた医師などが殺人などの罪に問われるような自体も考えられます。

尊厳死宣言を行うためには然るべき手続きをしておく必要があります。

非常に重要な意思表示ですので、尊厳死宣言は公正証書で作成しておくことが望ましいでしょう。

以下は公証役場の尊厳死宣言の文例です。

公証役場の尊厳死宣言 文例

尊厳死宣言公正証書

本公証人は、平成○年○月○日、嘱託人○の嘱託により、尊厳死宣言に関し陳述した事実を録取し、公正証書を作成する。

第1条 私(名前)は、私が将来病気に罹り、それが不治であり、かつ、死期が迫っている場合に備えて、私の家族及び縁者並びに私の医療に携わっている方々に、以下の要望を宣言します。
1 私の疾病が現在の医学では不治の状態に陥り、既に死期が迫っていると担当医を含む2名以上の医師により診断された場合には、死期を延ばすためだけの延命措置は一切行わないでください。
2 しかし、私の苦痛を和らげる措置は、最大限にしてください。そのために、例えば、麻薬などの副作用で死亡時期が早まったとしても、一向にかまいません。

第2条 私に前条記載の症状が発生したときは、医師も家族も私の意思に従い、私が人間として尊厳を保った安らかな死を迎えることができるように御配慮ください。

第3条 私のこの宣言による要望を忠実に果たして下さる方々に深く感謝申し上げます。そして、その方々が私の要望に従ってされた行為の一切の責任は、私自身にあります。
警察、検察の関係者におかれましては、私の家族や医師が私の意思に沿った行動を執ったことにより、これらの者を犯罪捜査や訴追の対象とすることのないよう特にお願いします。

第4条 この宣言は、私の精神が健全な状態にあるときにしたものです。したがって、私の精神が健全な状態にあるときに、私自身が撤回しない限り、その効力を持続するものであることを明らかにしておきます。

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